【馬の取り扱いについて】
近年、全国の乗馬クラブや馬を取り扱う施設で、騎乗時以外での事故が多発しているとの報告がありました。特に、人馬ともに死亡事故や後遺症の残るような重大な事故が多発しており、そのほとんどが人の馬への関わり方が起因となっているです。JRAなどの公的機関は今後、馬を取り扱うための指標を定め、資格保持者以外の人の馬への関わりを制限する事も検討されています。
昨今、SNSの普及により、海外の乗馬関係者の投稿を目にする機会が多くあるかと思います。それと同じように馬と関り、事故が起きていると推測されています。皆さんが目にしているSNSの中の海外の乗馬の世界は、皆さんが普段過ごしている日本の乗馬クラブとは環境が大きく違います。温厚なヨーロッパ血統と敏感なサラブレッド血統の性格の違い、敷地面積に対する繋養頭数や来場人数の違いなどで馬が抱いている感情にも違いがあります。また、海外の馬を扱っている人たちは朝から夜まで馬と生活を共にし、馬に関わる全てのことを自分たちで行っているため、馬との主従関係が確立しています。日本国内で乗馬を楽しむには、海外の真似事ではなく、きちんと日本のルールの中で楽しむことが安全への近道です。
岡山乗馬倶楽部でもこれまで、会員の皆様へは馬との関わり方についてたくさんのお願いをさせていただいてきました。もちろんほとんどの会員様がルールをきちんと守ってくださり、愛馬とより良い関係を築いてくださっております。
今一度、岡山乗馬倶楽部で現段階で定めさせていただいているルールをご確認いただき、馬たちを「加害者」にしてしまわぬよう厳守していただきますようお願いいたします。スタッフもより一層、皆様に安全に楽しんでいただくために、危険と思う馬の取り扱いにはお声がけさせていただきます。万が一、改善していただけなかったりご理解いただけない場合、会員の権利を失う可能性がございます。また、ルールを遵守せず事故等が起こった場合、損害賠償の請求をさせていただく可能性がございますので、今一度ご確認をお願いいたします。
オヤツ
オヤツは大量に与えないでください。馬のウェルフェアを考える会議にて、近年の馬の体調不良とオヤツの与えすぎの因果関係は否定できない、と獣医師から発表がありました。
ご自身に所有権がある自馬、もしくは騎乗した馬だけに、ご褒美程度(にんじん1本程度)の量を与えるようにしてください。オーナー様が来場されない日に、他の会員様へオヤツを与えることを依頼されることがありませんようお願いいたします。
引き馬
岡山乗馬倶楽部では会員様による、引き馬で草を食べさせる行為はご遠慮いただいております。引き馬をご希望の方はスタッフ立会いの下、放牧場の柵を閉めて行ってください。なお、放牧場内では、電気柵にくれぐれもご注意ください。また、厩舎や洗い場などで馬同士の鼻を付ける行為も大変危険です。
人の存在を無視して馬同士に順位付けを行わせる行為は、人とのコミュニケーションを悪化させ、騎乗や競技パフォーマンスに悪影響を及ぼします。
放牧
会員様ご自身での放牧は安全のためご遠慮いただいておりますので、放牧をご希望の方は必ずスタッフにお声がけください。放牧場の中へは決して入られませんようお願いいたします。
過去に、オーナー様が放牧場内で愛馬のそばにいる時に、放牧にも慣れてとても大人しい馬でしたが急に暴れ、オーナー様の頭部に馬の足が当たり、オーナー様がそのまま放牧場に倒れていた、などといったこともありました。
洗い場
ご自身が所有される馬でも、洗い場では決してオヤツを与えないでください。オヤツを欲しがり「まえかき」という悪癖を覚え、蹄の状態を悪化させます。また、周りの馬もオヤツを欲しがり悪影響を及ぼします。また、横や後ろから馬柵棒をくぐって馬に近づく行為は大変危険です。馬がきちんと人を認識しているのを確認してから近づいてください。
長時間、馬を洗い場に立たせないでください。洗い場は人が馬を都合よく扱うために繋いでいるだけであり、馬が心地良い場所でないということを人側が理解する必要があります。
手入れは早めにお済ませいただき、素早く馬房に帰してあげてください。洗い場周辺は整理整頓にお心がけください。強風などにより、肢元にあるバケツや袋類が思わぬ事故の原因となっている事が度々あります。ご協力をお願いいたします。
その他合わせて下記ご確認をお願い致します。
馬具について
馬具等を乗馬倶楽部を通さず個人で購入された場合、担当スタッフの判断により使用できないことがあります。オーナー会員様の場合はなるべく担当スタッフのご相談の上、馬具の購入をご検討ください。
馬着について
原則、岡山乗馬倶楽部では首付き馬着は使用しておりません。特に首付き馬着でないといけない場合を除き、首付きでない馬着をお選びください。
外部競技遠征では必要な時もありますので、ネック部分が着脱可能なものをお選びいただくことをお勧めします。
スタッフは毎日天候や気温を考慮して、馬房の窓の開閉や、馬たちの馬着の着脱や種類を決めております。会員様から個別の馬着の着脱や、着せ替えのご要望にはお応えできません。
運動前や運動後について
「エサを食べているから」という理由でレッスン時間の変更はできません。他の会員様のレッスン時間にも影響してしまいますので、定時開始にご協力をお願いいたします。
運動後はなるべく速やかに手入れをし、きれいな状態で馬房に帰してあげるようお願いします。「一回馬房にしまってから」や「ご飯を食べさせてから」は人間の都合であって、馬は体が不潔な状態が長時間続いているため、皮膚病やストレスの原因となります。
手入れは馬が運動後も異常がないか確認する大事なケアですので、「あとで」ではなくすぐに行ってあげてください。
2025年1月 株式会社岡山乗馬倶楽部